■建築研究報告

リフトスラブ工法に関する研究  
−中層住宅への応用−

中野  清司

建築研究報告  No.47,  1965  建設省建築研究所


<概要>

  本報告は昭和38,39両年度に行ったリフトスラブ工法に関する研究調査を一括したものである。

  第1章は現在のリフトスラブ工法の概況を示したものである。

  第2章はリフトスラブ工法とプレストレストコンクリート工法を用いた5階建アパート骨組の試設計で,これによって構造部材の構成と体工事の工費,工期の概要を示したものである。

  第3章は第2章の試設計とほぼ同様の設計方針で作られた2層骨組の試作,および設計荷重範囲内の加力試験結果を示したものである。

  第4章は柱とスラブの結合部に曲げを与えた場合の挙動をみるために行った模型試験の結果を示したものである。

  上記の諸検討の結果をとりまとめると次のとおりである。

  1. リフトスラブ工法は建築物の生産方法の合理化を行うための有力な手段であるといえる。すなわち,工費,工期の縮減,プレキャスト部材の現場組み立て,架設の簡易化,等を行うために有効である。

  2. 柱と床版との取り付け剛性は設計荷重の範囲内では充分である。したがってラーメン構造として通常の設計方法で設計することができる。

  3. 第3章に示す試作建物で用いた吊上げ方法,床柱の接合法,床の製作法等の施工方法は,実用に供しうるものと考えられる。

  4. 塑性範囲の構造物の挙動,靱性破壊の様相等に関しては今後の実験研究が必要である。

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