■建築研究報告

設計用模擬地震動に関する研究

渡辺  丹

建築研究報告  No.92,  March  1981,  建設省建築研究所


<概要>

  本研究の目的は動的耐震設計を行うのに当たって入力地震動の大きさ,その周期特性およびその非定常性をどのように与えればより妥当であるかを検討することである。
  研究を進めるに当たって十分な強震観測記録があれば工学的な判断等を必要としないで確率統計論的な解析をこれら強震記録について行うことも可能であるが,現在数百種に及ぶ強震観測記録は,マグニチュードの大きさ,震源距離,および地盤条件等の地震動についてのパラメータが広く均等に分布したものではない。特に構造物に損傷を与えるような大きな地震動の記録が不足しているが,統計論的な外挿法による推定で,このような大地震動の特性を予測する方途は残されている。
  耐震設計の目標となる大地震動に対して,本研究においては,予測される大地震動を模擬できるような実用的な模擬地震動の作成手法を提案している。また将来十分な強震記録数が得られた時期にも適用できる解析手法の確立も試みている。

  本研究の内容を大別すると,

  1. 模擬地震動についての各種パラメータについておよびそれら既往の文献調査紹介。

  2. 3次元地震動の考え方。

  3. 地震動の諸特性,例えば最大値,スペクトル形,応答スペクトル形と減衰定数の関係,および継続時間等。

  4. 構造物の地震動に対する応答最大値。

  5. 設計用の3次元模擬地震動の作成手法。

  以上,5大項目である。

建築研究報告一覧へ戻る |  出版物へ戻る



前のページに戻る



 所在地・交通案内
関連リンク
サイトマップ
お問い合わせ
リンク・著作権


国立研究開発法人 建築研究所, BUILDING RESEARCH INSTITUTE

(c) BRI All Rights Reserved