■建築研究資料 |
No.160号(2014(平成26年)7月) |
<概要> | ||||||||||||||||||||||||||||
超高層建築物が長周期地震動を受けた場合に,建築構造を構成する部材・接合部・骨組などがどこまでの構造性能を発揮し得るかについては,必ずしも十分な知見が蓄積されているとは言えないのが実状である。 このような背景の下,超高層鉄骨造建築物を研究対象とし,長周期地震動に対する超高層鉄骨造建築物の安全性検証法確立に向けた基礎的知見を蓄積することを目的として,鉄骨部材,接合部,骨組の多数回繰り返し載荷による構造実験とモデル建物の地震応答解析を行った。この調査検討から得られた結果を以下にまとめて示す。 1) 鉄骨造梁部材,柱部材,接合部,等の多数回繰り返し載荷実験を行い,梁端部等の破断までの疲労曲線を明らかにした。また,3 層実大架構の構造実験を行って,梁端部の疲労曲線の妥当性を検証した。 2) 長周期地震動に対する超高層鉄骨造建築物のモデル建物の地震応答解析を行って,部材の塑性率や累積塑性変形倍率等を明らかにした。また,実験から得られた疲労曲線を用いた超高層鉄骨造建築物の耐震安全性評価方法を提案した。 3) この研究プロジェクトでは,2 棟の超高層鉄骨造建築物に地震計を設置し,地震観測を行った。これらの観測からは,東北地方太平洋沖地震に対する強震記録も得られた。これらの地震記録を分析して,実在する超高層鉄骨造建築物の周期や減衰特性を明らかにした。 1)建築研究所、2)鹿島建設、3)大林組、4)清水建設、5)大成建設、6)信州大学、 7)竹中工務店、 8)小堀鐸二研究所、9)国土技術政策総合研究所 | ||||||||||||||||||||||||||||
|